49歳の時に町長に就任し、12年が経過しました。
一期目は山積する課題にどう向き合って解決するかで夢中でした。人口や財政状況から、将来の美里町の姿をどうすべきか、どう生き残るかも含め、望ましい姿を想像し、そこへ向かって政策を決めてきました。
作ったものはいつか老朽化し、更新時期を迎えます。建物、道路、水道、下水、農業用パイプライン、河川や水路など昭和40年代から50年代に作ったものが老朽化しています。人口は徐々に減少し、少子化と超高齢化、税収減と医療介護費用の増大が見込まれ、このままでは将来、財政が持たないという強い危機感をずっと抱いてきました。住民の皆様には、できるだけ迷惑がかからないよう、支出を減らし、収入を増やし、地域で経済が回る施策を進め、子育て世代や高齢の方々が住みやすい町になるよう努力してきました。
お陰様で小中学校などの公共建物の耐震化やスマートIC・産業団地の整備ができ、省インフラ化にも着手し、さらに、町の生き残りをかけた施策も徐々に具体化しています。
コロナ禍は、我々の生活や経済に大きなダメージを与えています。ワクチンが広く普及し、インフルエンザと同等の疾病となる時期は必ず来ると思いますが、インターネット環境があれば、どこでも仕事ができる時代が始まりました。
我が町は過去、農業振興の中で町づくりを進める道を選び、圃場整備や国・県の農業補助金を活用してきたため、土地利用、特に農地の転用が厳しく制限されています。しかし、そのことにより、田園が守られており、それは強みでもあります。この田園環境は必ず、見直される時代が来ると信じています。