3月号のコラムでは人口推計を掲載し、美里町の未来は高齢者増と働き手や子どもの減少が同時進行する推計だと説明しました。
住民アンケート調査で必ずでてくるものに「買い物や交通、通勤・通学の不便さ」が住み続けたくない理由としてあげられます。
一般的に勤め先の近くや交通の便のよい、人や商店が集まり、生活しやすい駅近くが選ばれます。一方、人口が少ない地域は、お店や路線バスもお客さんが少なく経営が成り立たず、ますます住民の不満は増大し、利便性の良い地域に引っ越してしまう悪循環に入ります。
美里町は、今でこそ農業従事者が減少していますが、川からの水やため池をつくって稲作を営み、畑では野菜や桑、果樹を育てて農地や森林を維持して生計を立ててきました。しかし、小規模農業では食べていけないために会社勤めに変わり、農地は遊休化の一途です。
「農地を宅地に転用してお店や住宅を誘致したら」との意見もありますが、一定の条件を満たさないと転用ができません。
食料を生産する農地を守る理由から、農地転用は、県や国の許認可が厳しく、どの市町村も条件を満たすために知恵を出しています。
美里町でも、平成の初期、本庄寄居線沿線をグレーゾーンに指定して開発を試みました。また、小茂田北側の農地を区画整理する計画もありましたがいずれも費用対効果から上手くいきませんでした。
令和3年に寄居スマートICを作りました。インターや駅、役場から半径300mは具体的計画や条件が整えば農地を宅地転用することが可能なエリアです。他の地域でも農産物の加工調整施設や集落内の条件の悪い農地も宅地化の可能性があります。
首都圏を除いて人口が維持されている地域の特徴は、都市近郊のベッドタウンか優良企業が立地した自治体と言われています。
美里町は、比較的土地が安く、手ごろな値段で住宅地が供給され、働き口があり、子育て支援や教育に力を入れていれば、子育て家族に必ず選ばれると思っています。税収や雇用を生む企業誘致や地域内経済循環を促進するため、住宅や商店、企業が立地できる土地利用を進めています。