脳科学者の茂木健一郎さんは、生きがいがある人は健康寿命が長く、気持ちも若々しい、心臓血管系の病気にもかかりにくい。英語圏には、「生きがい」を的確に表す英単語が無く、アメリカでは「ikigai」とそのまま単語になっていて、「あなたが朝目覚める理由である」と解釈されているという。
また、生きがいは、ほんの小さなことでも、社会から評価されなくても、自分が喜びを感じるものでさえあれば、若々しい気持ちと健全な身体を維持できるともいう。
ところで、私たちは「生きがい」を人生の目的や生きる意味みたいな、感覚でとらえていないでしょうか。しかし、生きがいを「あなたが朝目覚める理由」とするならば、「何気ない日常の中の小さな喜びや幸せ」であり、その積み重ねをいくつ持っているか、持とうとしているかが重要だと思います。
高齢のかたが元気に毎日を送るための秘訣は、「キョウイクとキョウヨウ」だそうです。今日も用事と行くところがあり、朝一杯のコーヒーや散歩など、毎日の日課が小さな喜びとなるものを持つことが大切なのだと思います。
心理学者のアドラーは、「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」と言うように、私達の心は人からの言葉で、喜んだり悲しんだり、怒ったり傷ついたりします。しかし、一人では、つまらない、生きていけない。
だとすると、自分が言われたら「ヤダ」と思うことは人に言わない、人から嫌なことを言われても「そういう考え方もあるのか」と肯定も否定もしないで平常心を保つ。
日々の小さな喜びと平常心、規則正しい生活、社会参加も心がけ、健康長寿といつまでも若々しさを保ちたいものです。
今年の干支は「甲辰(きのえ・たつ)」、春の日差しが、あまねく成長を助く年。縁起の良い年とされています。皆様にとって幸多き年となることを祈念いたします。そして、美里町が字のごとく「美しい里のまち」になるよう全力を傾注します。